値段で選ぶロードバイク!なるべく安く買う方法、予算ベースの選び方は?
ロードバイクに限らず、万単位の大きい買い物でまず先立つのは予算ですよね。
某ZOZOタウンの社長のように宇宙を目指せるような方は別でしょうが、僕は映画を見に行く交通費すら計算してしまう貧乏人。
所有している自転車も軒並み5年を超え、耐久性も気になるところ。
僕のように買い替えを考えている方はもちろん、これからロードバイクを始めたいという初心者の方に向けて、僕が値段を見てロードバイクを購入するときに重視している選び方をご紹介します。
ロードバイクの値段による違い、性能差は?
安いものを買えるに越したことはありませんが、せっかく競技用として開発されたロードバイクを買うなら性能にも注目して欲しいところ。
まずは値段の差で何が変わるのかを把握して、最低限求めるスペックに合う予算を考えて、その中から「お値段以上」の一品を選んでみましょう!
重量
ロードバイクの完成度を考えるときに大きなファクターになるのが重さです。
重たいものを持とうとすると力が必要なのと同じで、自転車を走らせようとするときも重い自転車を走らせるのには力が必要になり、軽くなると軽い力でも走らせられるのでスピードも出しやすくなります。
このためロードバイクをはじめとする競技用自転車において軽さは正義で、各メーカーは軽量化を重視した開発競争を現在まで続けています。
より軽く仕上げようとすると十分な強度を出すのが難しくなり、強度と軽さを両立させようとするとより高級な素材を使用する必要があるので値段が高くなります。
また設計にもより力を入れる必要があるので、同じ素材を使っていてもより軽いほうが値段が高くなります。
構成パーツの違い
基本的に自転車のメーカーが開発するのはフレーム部分だけで、その他の構成パーツはそれぞれ専門のメーカーから購入し組み上げています。
販売元のメーカーは、これらのグレードを下げることでコストカットできるので、高いモデルにはいい構成パーツが、安いモデルには安い構成パーツが使われています。
その最たるものが駆動系パーツのコンポーネントで、様々なグレードがあり価格差も大きいです。
特にコンポの違いによるギアの枚数に関しては乗り心地にもつながるので、特に値段で選ぶ場合にチェックしたいポイントです。
競技用かファンライド用か
本来ロードレースのために開発されたロードバイクですが、現在は趣味のひとつとしても確立されています。
競技用の自転車はより軽量で性能を生かせるよう技術を詰め込んだものですが、やはりその分価格も高くなっています。
対して趣味乗り重視のファンライドモデルはそこまでの軽量化や緻密な設計は必要ないので低価格のラインナップも多くなっています。
もちろんファンライドに競技グレードのモデルを使う方も多いですが、スピードなどにそこまで興味のない方はより値段の低いモデルでも十分満足できるでしょう。
価格別のロードバイクラインナップ
最近では中華メーカーの登場などでロードバイク業界も価格破壊が起こっているので、これまでの常識は少しずつ崩れてきています。
このためあくまでひとつの参考程度となってしまいますが、価格別にどういったラインナップ、構成のロードバイクが買えるのかチェックしてみましょう。
~10万円のロードバイク
10万円以下のモデルは、ロードバイクとしてはかなり格安な部類になります。
安い分スペックが低いほかにも、注意しなければいけないポイントがあります。
ファンライドモデル中心
10万円以下となると、ほとんどが趣味乗り用のモデルになります。
競技用として販売されているモデルはほぼ無いので、あくまでもファンライドユーザー向けのラインナップです。
もしもレースを目指すのであれば、この価格帯には手を出さないほうがよいでしょう。
カーボンフレームはなし
昨今低価格化が進むカーボンフレームですが、現在のところ10万円以下のラインナップはありません。
基本的にはすべてアルミフレームで、フロントフォークのみカーボンというモデルが多いです。
このため重量が比較的重いラインナップがほとんどです。
重量は10kg前後
この価格帯だとカーボンが無い上に、製造コストを下げざるを得ないことから重量はどうしても重くなってしまいます。
10kg前後のモデルが多く、上位グレードの標準重量よりもかなり重くなっています。
構成パーツも重たいことが多いので、カスタマイズすることで軽量化を計ることもできますが、フレーム自体が重たいことや、軽量化するための費用を考えると最初からある程度のグレードのモデルを購入したほうがお得です。
コンポは「CLARIS」~「SORA」
この価格帯のモデルだと、コンポのグレードはSHIMANOのロードバイク用コンポの下から2番目、3番目の「CLARIS」と「SORA」がほとんどです。
CLARISは8速、SORAは9速なので、ある程度自転車のスペックに合わせた乗り方が必要になります。
ルック車に注意
10万円以下だと、メーカー品よりもルック車の方が多い価格帯です。
ルック車とは、簡単に言えば見た目がロードバイクでも性能がロードバイクでない自転車のことで、ロードバイクらしい楽しみ方をしたいと言う方には向かない自転車です。
見た目だけ取り繕えればいい方であればルック車もありですが、長距離走ったり、速いスピードを出して走りたいと言う方には向かないので注意しましょう。
~20万円のロードバイク
20万円ぐらいになるとラインナップも増え、ファンライド用でもいろいろな種類のロードバイクから選ぶことが出来ます。
できることなら、初めてのロードバイクでは20万円ほど予算を見ておくとよいでしょう。
ファンライド用~レース用入門機まで
10~20万円のロードバイクなら、ファンライドはもちろんレースグレードモデルの下位モデルまで選ぶことが出来ます。
レースグレードモデルには、「オールラウンド」「ヒルクライム」「エンデューロ」「エアロ」など用途に応じた設計のロードバイクがあるので、それぞれ目的別に選ぶことで特性を生かした走りが出来ます。
ファンライドにおいてもこれらの特性を理解して選ぶことで快適にサイクリングを楽しむことが出来ます。
カーボンフレームも
最近の低価格化によって、20万円以下でもカーボンフレームのロードバイクが入手できるようになりました。
上位グレードのカーボンロードとは比較になりませんが、カーボンフレームは軽量で乗り心地もアルミに比べて向上しているので、可能であればカーボンロードがおすすめです。
ただし、カーボンは金属に比べてキズや衝撃に弱いので、不安であればあえてアルミロードを選ぶのもよいでしょう。
また、20万円のカーボンロードはカーボンロードの中では下位グレードなのに対し、20万円のアルミロードはアルミロードの中では中級~上級グレードなので、20万円の予算でアルミロードを選べばカーボンロードに迫る性能のアルミロードを入手することも出来ます。
重量は上位グレードに迫る
20万円程度のロードバイクは、重量7kg台のものもあり、フレーム重量だけ見れば上位グレードと大差ありません。
カスタマイズでより軽量化することも可能なので、重量を重視してもやはりこの価格帯から本格的なロードバイクを選べると言えます。
乗り心地まで比較するとやはり上位グレードに分がありますが、十分ロードバイクらしい走りを楽しむことは出来ます。
コンポは「Tiagra」「105」
20万円程度のロードバイクのコンポには、中級グレードの「Tiagra」もしくは「105」が搭載されていることがほとんどです。
この2つは、Tiagraが10速、105が11速と違いがあります。
ひとつの選び方として、ファンライド中心なら10速のTiagra、レース指向なら11速の105を選ぶとよいでしょう。
10速と11速ではホイールの互換性がない場合が多いので、Tiagraを購入して105に乗せかえることができない場合があります。(ホイールも買い換えれば可能)
大は小を兼ねるではないですが、可能であれば105を選んでおくことをおすすめします。
~50万円のロードバイク
50万円予算が有る場合、本格的なレース用モデルが購入できます。
構成パーツのグレードも高いので、完成度の高いモデルが並ぶラインナップです。
実業団レーサーも多くがこの価格帯のモデルを使用しています。
ほとんどがレース用グレード
50万円程度のロードバイクは、ほぼすべてがレース用モデルです。
パーツ構成もレースに十分対応する上位グレードで構成されているので、性能的には購入したままで申し分ありません。
そこからコースや自分に合わせたパーツに交換することもできます。
もちろんファンライドにも使用できますが、少々オーバースペックでもあるので無理にこの価格のロードバイクを購入する必要はありません。
カーボンロードがメイン
この価格帯だと、ほとんどのモデルがカーボンロードです。
軽量化はもちろん、強度配分も重視し乗り心地だけでなく走行性能を重視したモデルが並びます。
「オールラウンド」「ヒルクライム」「エンデューロ」「エアロ」など用途に応じた設計のロードバイクがあるので、それぞれ目的別に選ぶことで特性を生かした走りが出来ます。
ただしファンライドを目的とした「コンフォート」系モデルはほとんど無いので、「エンデューロ」系モデルを選ぶとよいでしょう。
7kg前後が中心
レース用ロードバイクのレギュレーション上の重量は6.8kg以上と定められているため、レース用ロードバイクが中心のこの価格帯のロードバイクのほとんどがこの重さに準じて設計されています。
ぴったり6.8kgは少ないですが、基本は7kgを中心に設計されており、ここから更に軽量化することも可能です。
コンポは「ULTEGRA」「DURA-ACE」、電動コンポも
この価格帯のロードバイクは、SHIMANOの上位グレードコンポ「ULTEGRA」、「DURA-ACE」が搭載されています。
ULTEGRAとDURA-ACEには電動コンポの「Di2」があり、機械式を搭載していてもDi2対応の設計になっています。
ヨーロッパ系メーカーの一部ではカンパニョーロの「Record」シリーズなども見られます。
高いからいいという時代は終わった?
ここまで価格差があると、どうしても高い物がいいものだと思いがちです。
実際高い物は最新技術を詰め込んだスペックの高いモデルが並んでいます。
では安いものがダメかというと、そういうわけでもありません。
かつての上位グレードが安く手に入る時代
ロードバイクは日本でブームとなってまだ日が浅いですが、ヨーロッパではかねてから高い人気を得ていました。
長らく研究開発され、緻密な技術でスペックを年々上げています。
ロードバイクの価格の多くは研究開発費で、ルック車を見てもわかるとおり素材だけであればそう高いものでもありません。
このため、開発されきった古い技術を盛り込んだモデルは価格が安くなっています。
いうなれば、かつて上位グレードだったモデルが現在は安く購入できるので、最新式が絶対に正義とは言い切れません。
ファンライドにレースグレードは不要?
上位グレードはたしかにいいものです。
下位グレードと上位グレードには乗り比べれば初心者でもわかるほどの性能差があります。
ただし、どんな状況でも上位グレードの技術が生きるかと言うとそうでもありません。
より早いタイムで、より体力を浪費せずに走る場合は高いスペックのモデルが有効ですが、ファンライドにおいてはそのスペックを生かしきれないシーンがあることも事実です。
たとえば家庭菜園にトラクターが必要ない、仕事にゲーミングPCを使用しないのと同じで、下位グレードでもファンライドにおいては十分な場合もあります。
カーボンロードの低価格化
カーボンロードも低価格化が進み、20万円弱でも手に入る次代になりました。
これによって乗り心地の面では安くても十分満足できるモデルが入手できるので、無理に数十万円のカーボンロードを購入する必要もなくなりました。
カーボンロードにおいても、10年前に40万円だったカーボンロードと、現在20万円のカーボンロードを比較すると大差なく、技術は下位グレードにもフィードバックされていることがわかります。
ロードバイクを安く買う方法は?
家電などでは一般的な値引き販売ですが、ロードバイクではどうなのでしょうか。
実はスポーツ自転車の店頭販売は定価が基本で、あまり値引きはされていません。
では上位グレードをなるべく安く購入したい場合どういった方法があるのでしょうか。
通販は基本NG
なにかを安く購入したい場合、多くの人がまず通販を思い浮かべるでしょう。
ただし、ロードバイクにおいては通販はあまりおすすめしません。
多くのスポーツ自転車メーカーは通販を嫌い、基本的に特約店のみの販売です。
一部流通しているものは中古品が多く、パーツ寿命が短い傾向にあります。
通販で新品を購入できるロードバイクもありますが、組み立てが必要で、ショップは他店や通販で購入した自転車の持ち込み点検修理を嫌います。
このため、通販を使うと結果的に手間がかかることがあります。
試乗もできないので、乗り心地やサイズのフィッティングも届くまで出来ません。
ある程度自分で出来る方にはおすすめですが、 初心者の方は避けておいたほうが無難でしょう。
中古品の購入は年式に注意
ロードバイクは買い替えも活発なので、中古品も多く出回っています。
ただし、ロードバイクのフレーム寿命は思っているよりも短いです。
カーボンで5年、アルミで10年ほどと言われていて、本来持っている性能を生かせるのはもっと短いと言われています。
これは走行距離にもよるのであくまでも目安ですが、中古でロードバイクを購入するときは年式を確認し、なるべく新しいものを選ぶようにしましょう。
またタイヤやブレーキシューなどどうしても乗っているうちに劣化していくものもあります。
多少安いぐらいだとこれらの交換で結果的に新品と変わらないということもあるので、状態はしっかりチェックしておきましょう。
型落ち処分品がおすすめ!
ロードバイクは、ほとんどのモデルが毎年刷新されていきます。
このため秋口の新商品流通に向けて、多くのショップは売れ残った古いモデルを処分価格にします。
欲しいモデルが必ずあるとは限りませんが、新品の値引きはこのタイミングが一番大きくなります。
チャラーズの結論:買い換えよう。
下位グレードと上位グレード、どちらがいい?と言われれば、間違いなく上位グレードを購入したほうがいいに決まっています。
ただ、最初から必要か?と言われれば、個人的な答えは「No.」です。
ロードバイクは移動手段としても活用されますが、「基本はスポーツ」です。
自分の欠点をトレーニングで補うのがスポーツですが、ロードバイクはこの部分を機材で補うことが出来ます。
この欠点は乗って経験しないとわからない部分です。
加速が苦手なのか、坂道が苦手なのか、乗り心地を向上させたいのか、これらの部分を経験してみなければわかりません。
なので、無理に高い物を狙って買い控えてしまうよりも、まず安くても買えるロードバイクを買って体験してみるのがよいでしょう。
その中で感じた不満をカスタマイズで補い、それでも足りなければ買い換えても遅くはありません。
自分の能力が100だとして、乗る自転車によって50しか引き出せない場合、100引き出せる場合があります。
人間がエンジンなので、高いロードバイクに乗ったからと言って120や200になるというものではありません。
またレースでなければ必ずしも100出さなければいけないわけでも無いので、50の力でも楽しめるならそれなりのスペックのモデルでも楽しめます。
ロードバイクは中古の取引価格も高めなので、ぜひ臆せず一台買ってみて、そこからワンランク上のこだわりロードバイクを選んでスキルアップしていきましょう!